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京都サンガF.C.の試合レビューが中心。たまに観戦記。

京都サンガF.C.2020シーズンプレビュー

 

皆さんこんにちは、Ryu-Yです。

 

 

前回と前々回の記事で全選手のレビューを書きました。

 

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2020年のプレビューをする前に2019シーズンの目標と結果について考察したいと思います。

 

2019シーズンの新体制発表での社長、監督、SDのそれぞれの目標は下記になります。(下記記事参照、一部抜粋)

引用:www.jsgoal.jp

 

伊藤社長

・この8年間J2に甘んじて順位が右肩下がりで落ちている。潜在的な経営能力、チーム強化に問題がある。

・アンダーカテゴリーでの年代別代表が多くいる。上のチームへ繋げていきたい。

 

野見山SD

・「攻守に主導権を握り、全員攻撃、全員守備の攻撃サッカー」の構築。育成も含めて。このサッカーを実現する為に中田監督を選定した。

・2019年の目標は昇格争い。J1で安定した戦いをする為の土台を作る。昨年の低迷を受けて、監督やコーチングスタッフを見直した。

 

中田監督

・経営理念、チームバリューについては現状出来てない。これから目指す、やる。

・地域の人たちがサンガに誇りを持てるよう、それらを説得力を持ってエネルギッシュに進めていく為には勝利が必要。

 

Qチームを編成する上での方針は?

野見山SD「競争環境の確立。レギュラー争いをして個々が成長して欲しい。その為にコーチングスタッフを充実させた。」

 

Q昇格争いという目標は曖昧な印象だが?

伊藤社長「最終目標はJ1昇格だが、ビジョンを実現することが重要。昨年から首脳陣が変わったので原点からやるつもりでいる。相対的な力が分かりかねるので、感動してわくわくする試合をして昇格争いに絡んでいきたい。」

 

中田監督「細かい数字は選手のプレッシャーにもなる。観客数で言うと開幕戦2万人以上、平均1万人以上来てほしい。」

 

ここ最近のサンガは勝ち点や順位等の定量的な数字面での目標設定を止め(おそらくクラブとして設定はしているが、公表はしない)、抽象的な目標設定となっています。

その中で、この発表会でキーワードとなったのは以下の3つになります。

 

リーグ戦・・・「昇格争い」

チーム編成・・・「競争環境の確立」

観客動員・・・「平均1万人以上の観客」

 

2019シーズンで議題に上がったテーマを2020シーズンでも使い回すのはナンセンスなのですが、上述した3つについては監督や社長からも今季に向けた目標をインタビュー等で発言されていますので、無理やりにはなりますがサポカンが行われない以上このような形を取って今季を占っていきたいと思います。

 

 

 

それでは、それぞれを噛み砕いて見ていきましょう。

 

 ○リーグ戦

<2019シーズン:昇格争い>

 まず、順位の上で自動昇格を目指すとかPOを目指すとか具体的な順位を言わず、「昇格争いをする」としかクラブとして明言していません。

昇格争いとは何ぞや?と言うところですが、実質的にはPO争いといったところでしょうか。J1を目指せる位置に付けたいということでしょう。

J2リーグの中でサンガが金銭面でアドバンテージを取っていたのは過去の話で、他のサポーターの記事でも書かれているようにあくまで中位規模です。その中でJ1から降格してきたチームなど我々より大きな規模のクラブが増え、サンガがまともな戦いをした時にどの順位までいけるのかはっきり見えてこないというのはフロントの本音なのでしょう。

中盤戦では一時首位に立つなどサンガは2018シーズンに比べると大きく躍進しました。後半戦の失速でPO進出はならなかったので、「昇格争い」の目標は未達になるでしょうか。個人的には夢を十分見させてくれたので、ネガティブなイメージではありません。

 

<2020シーズン:優勝争い>

シーズン最初の全体練習でのインタビューなどでも實好監督は「優勝争いをしたい」とはっきり明言しています。勝ち点や勝利数など具体的な数値を掲げていないのは2017シーズンから続いており、シーズン後に何を持って目標達成とするかは判断しがたいですが、自動昇格を狙っていることは間違いなさそうです。

近年はJ2全体のレベルアップが著しく、優勝争い、PO争いは混沌とすることが多くなっています。力の拮抗した中でいかに勝ち切るかが重要です。自動昇格に向けて勝ち点80はひとつの目安となっており、23勝11分9敗で勝ち点80となる計算です。(いやはや厳しい。。。)PO進出を狙うのなら勝ち点70程度が必要で、20勝はあげたいところ。

5試合を1サイクルとして、3勝1分1敗で勝ち点10×8サイクル(+2試合)=勝ち点80(+α)となります。

昨季昇格した柏レイソル、横浜FC共に序盤戦は苦しみ首位から離されていたのですが、中盤以降は勝ち点をほぼ落としていません。ここはサンガと対照的な部分でした。特に横浜FCは監督交代の影響もかなりありますが、夏以降負けていないのは驚異的。チームとしての上積みが出来ないと長いシーズンを乗り切ることが難しいです。今季はオリンピックによる中断期間もありますし、夏以降の戦い方の変化にも注目したいです。

 

○チーム編成

<2019シーズン:競争環境の確立>

 質の高い選手たちが揃っていることはフロントも十分理解していて、大半の選手たちを残留させることは出来ました(複数年契約の途中が多かった?)

ただ、新加入選手は新人や日本での実績の無い外国籍選手がほとんどで、あとは安藤や宮吉といったサンガ在籍暦のある選手を補強するに留まりました。本当に競争していけるのかは、始まってみないと分からないところが多い印象を受けました。

シーズンが始まると中田監督が志向するサッカーが高い技術と判断力が求められるモダンなサッカーであったため、フィットする選手とそうでない選手が徐々に別れていきました。それでも、怪我のあった増川と望月以外はリーグ戦で出番を与えていますし、必ずしもスタメンとサブではっきり線引きをした訳ではありません。これは編成上の問題でもあり、各ポジション2人以上の選手はいたものの、高いレベルで競争できたかと言われると、必ずしもそうではなかったと言えます。具体的に言うとインサイドハーフやゴールキーパーは質の高い選手が競い合っていましたが、ウイングやセンターバックは柱となる選手がいないとチームの質がガタッと落ちてしまう状況でした。

 

<2020シーズン:センターラインの充実>

昨季同様に競争環境を確立する為に各ポジション2人以上の選手を配置するのは継続で、特に目立つのがセンターラインの補強です。フォワードにウタカと李、センターバックにバイスと森脇を獲得した点からもチームの軸を実績十分なベテラン選手に託したいことが伝わります。昨季のサンガの代名詞が前線の若手(?)トリオだったので、その躍動感溢れるサッカーが継続出来ないのは寂しいですが、昨今の引き抜き事情を鑑みれば、彼らもJ1で活躍した方が幸せでしょうし引き止めることは不可能でした。一方、ウイングの補強はジュビロ磐田より荒木のみ。中川や谷内田は中央でのプレーが得意なので、サイドの選手が駒不足となっています。この辺りはこの後のフォーメーション予想でも取り上げます。

 

○観客動員

<2019シーズン:平均10,000人以上>

2019シーズンのホーム平均入場者数は7850人。昨年に比べ+2187人、1万人以上入った試合は4試合でした。いわゆる国体競技場であるたけびし(西京極)で、雨の日の観戦環境も劣悪で観客動員が安定しないのは致し方ない面もあります。私も中田監督が言うように、J2ならば平均1万人以上呼べるチームになるべき、と考えており、この目標は新スタジアムへと受け継がれることとなります。(私自身あまりホームの試合に行けてないので偉そうに言える立場ではないのですが。。。)

 

<2020シーズン:平均9000人以上>

伊藤社長は京都新聞のインタビューで観客動員は9000人以上を目指したいとおっしゃっていました。新スタジアム特需でホームサポーターだけでなくアウェイサポーターも数百人単位で伸びることを想定するといささか目標が低く、平均10,000人を目指すと言っても良い気はするのですが、何せサンガが平均10,000人以上の観客動員を集めたのは全てJ1時代ですので、現実的にならざるを得ないといったところでしょう。昨季はチームが好調の夏場でも大きく観客動員が増えたわけではなく(無論2017、2018よりはマシですが)、イベントや○○デーに依存していました。スポンサー枠や招待枠だけに頼らないスタジアム観戦環境向上が求められます。(なるべく私も関東から参戦します・・・!)

 

<2019シーズンまとめ>

昨年の19位から8位に順位を上げてシーズンを終えられたというのは素晴らしいことなのですが、一時は首位に立っていましたし選手たちもJ2優勝と口々にする時期もありました。

優勝した柏レイソルは別としても、横浜FCやこれまで昇格していった大分、長崎、札幌などはそこまでクラブ規模で大きな差があるわけではありません。(札幌を始め、J1昇格、定着すると収入を大きく伸ばしていけるわけですが。)

毎季のごとくチームをリセットするのではなく昨季を無駄にしない、

「ホップステップジャンプ」の中の「ホップ」

になるシーズンだったと後から振り返られるかどうかはこれからに懸かっています。

 

 

<2020シーズン展望>

 さて、ここから2020年のシーズンプレビューを書きたいのですが、クラブが何を目指しているのかはっきり見えてこないのが現状です。2015、2016年に行っていたサポーターカンファレンスはいつの間にかやらないことが当たり前になってしまっているのが残念でなりません。社長、強化部長、スポーツディレクターといったフロント陣に直接意見が聞ける貴重な機会なのですが。

私は関東在住の為、頻繁に練習見学にも行けませんので、エビデンスとしては新体制発表会とセレッソとのPSM。いずれもYouTubeにアーカイブが残っています。

これらからチームとしての目標と戦い方の予想をしていきたいと思います。

 


引用:【京都サンガF.C.】2020 新加入選手・新体制発表記者会見【あすリート】

 

 

<スカッドと予想フォーメーション>

~4-3-3~

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京都の代名詞であった小屋松、一美、仙頭の抜けた前線三枚の穴埋め不足が目立ちます。特にウイングの所は顕著で、荒木はPSMで相手を剥がしていけるプレーが随所に見られ目立ちましたが、右ウイングは中野の成長に期待したいです。

また、中盤には攻撃で違いを生み出せる選手は多くいるものの、守備でボールを刈り取れる選手がいないところは昨年と変わりません。福岡(今のところスタメン組でないのが心配)や中川が守備でも貢献することが出来れば出番を多く得られるのではないでしょうか。

 

~3-4-2-1~

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※ジュニ抜けてた。。。右ウイングバックかな。

 

PSMではスタートは3-4-2-1でした。セレッソにボールを多く持たれていたことからあまりボール保持時の攻撃を見ることは出来ませんでしたが、中川のアイデアやウタカの自由なプレーは目立っていました。守備時は5-4-1となるので、なるべくバイスが左右に振られないようウイングバックとHVの所で対応したいところです。

 

4-3-3でも同様ですが、左CB(左HV)のところは左利きの選手を置いて展開していきたいので、本多の回復や麻田の成長が必須です。

 

 

<注目ポイント>

・ウタカ依存度

今季の得点源として最も期待出来るピーター・ウタカは甲府よりサンガへ。36歳になっても得点感覚は衰えておらず、PSMセレッソ戦でも早速個人での突破から得点を決めてくれました。20得点は期待したい選手です。彼がセンターフォワードとして君臨していく中で、依存しすぎないチーム作りを出来るかは一つキーポイントになります。

ボール保持時に中盤まで下りてボールを受けてサイドに展開する動きや相手を背負ってポストプレーは彼に期待したいプレーなのですが、それに合わせてシャドー(インサイドハーフ)の選手がサポートを欠かしてはいけません。彼のフィジカルに依存しすぎるとボールをどんどん受けに来てしまい、サイドに展開した後にボックス内に誰もいないことになる懸念があります。(実際にPSMでもありました)

甲府サポーターからも、「ウタカに依存しすぎると彼の調子がチームの調子になってしまう」と警鐘を鳴らされています。

 

 

・DFラインの高さ

13サッカーの代名詞であったボール保持率を高めるサッカーを継承していくと予想される今季。DFラインにはバイス、森脇といった足元の技術に優れた選手を獲得。特にバイスはサンガの弱点であったゴール前で跳ね返していける選手であり、ディフェンスリーダーとして活躍してもらわなければいけない選手です。

ただ、主力のCBはバイス、安藤、森脇とベテランばかりでパスは出せるが、スピードに不安のある選手ばかりです。ボールを保持して攻撃する時間を高めることは守備を行う時間を少なくすることと同義であり、また、ボールを失っても即時奪回はセットで行います。そうすることでまた、再度攻撃のフェーズに持っていけるからです。ただ、即時奪回を目指すとなると陣形をコンパクトに、すなわちDFラインをある程度上げなければいけません。DFラインとGKの間には当然広大なスペースが出来ますから、それをカバー出来るCBかGKが必要です。GK勢に飛び出しに優れた選手はおらず、ベテランCB勢にもスピードでは少し劣ります。なかなか若手CBを育てるのは大変なのですが、上夷や麻田がこのベテラン勢を脅かすようにならないと、昨季のように背後を狙われる攻撃に手を焼くでしょう。(本多の復帰も待たれるところ。夏頃かなあ)

 

 

あっという間のオフが過ぎ、開幕まで一週間を切りました。

今季もハラハラドキドキのシーズンがやってきます。

フットボールライフを存分に楽しみましょう。

(3/1のホーム開幕戦は行きます!)

 

 

ではまた。

ラ・リーガ2019-2020第24節バレンシア-アトレティコマドリー雑感

 

皆さんこんにちは、Ryu-Yです。

 

2/19からいよいよCLラウンド16が始まります。

リヴァプールはアトレティコ・デ・マドリーと対戦します。

 

ということで、久々にラ・リーガの試合を観たのでアトレティコの特徴をつかんでおくための記事になります。

 

基本スタッツ

バレンシア-アトレティコマドリー

得点:2 - 2

支配率:64% - 36%

シュート数:9 - 8

枠内シュート数:3 - 3

パス成功率:82% - 75%

イエローカード数:3 - 2

コーナーキック:11 - 4

ファール数:12 - 16

 

基本的には両チームともボール保持には拘らず、前線からのプレスとボールを奪ってから素早くゴールに迫ることを特徴としています。

 

 

両チームフォーメーション

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バレンシアは4-4-2としているが、ゴメスとガメイロが縦関係の4-2-3-1にも可変するシステム。

一方のアトレティコはシメオネ伝統の4-4-2。今季に入って強固な守備が崩れている原因はなんだろうか。この試合から探っていきたい。

 

この記事でのテーマは、

「4ボランチのようなアトレティコの中盤」

この仕組みがアトレティコにとって強みでもあり弱点でもあると感じた。

 

 

 

<攻撃時は同サイド圧縮、幅を取るのはサイドバック>

ボールを奪ったところから素早く縦パスを入れるのが基本的な攻撃のスイッチ。ボールサイドに散らすのではなく、若干内側にポジショニングしているサイドハーフのジョレンテやサウールへ。ただ、ボールを受けた両サイドハーフの選手はサイドに流れるサイドバックの選手へボールを渡し、自身は真ん中へ。特に上下動を繰り返すことが出来るアリアスのいる右サイドからこういった形が多かった。

 

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その後、特にアリアスにサポートにいく選手はおらず、中へクロスを送るかハーフスペースへ走りこんだ選手へパスを送る。

仮にボールを真ん中で奪われてもそれは想定内で、中に人数をかけているので即時奪回をすべくボールホルダーへ素早くアタックする。

ジョレンテ、トーマス、コケ、サウールはいずれもピボーテ(ボランチ)を主戦場とする選手で、真ん中の狭いスペースでもゴリゴリとボールを前進させたり相手からボールを刈り取ったり出来る選手たちである。

サイドに人数をかけて崩すのではなく、選手たちの長所を考えて中央突破を狙っているのが今のアトレティコの特徴と言える。

 

 

 

<ハイプレスとコケの追撃>

 ボール非保持では相手最終ラインのセンターバックやゴールキーパーまで積極的にプレス。バレンシアはあまり後ろから繋ぐのが得意なチームではない為、ロングボールを蹴らせて中盤で回収出来ていた。このハイプレスは後半20分手前まで続いた。

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※上の赤文字は無視してください

 

特にケガから復帰したコケは攻守に渡って重要な選手だと感じられた。ビトロとコレアが前線からプレスをした際に中盤の選手もついてこないとスペースが出来る。バレンシアのピボーテの選手にボールが入らないように、入ってもすぐプレスにいけるようにコケが構えていた。時には最前線までプレスを行ったりと、運動量も豊富であった。

 

ただ、これは相手センターバックやサイドバックにキックの質が高い選手がいない=サイドチェンジで大きな展開がされない、場合にはすごく有効であるが、同サイド圧縮している陣形から逆サイドへ一気にボールを運ばれると瞬く間に大ピンチとなる。

 

最終ラインに極上のキックを持ったチーム、、、そう。

CLで対戦するリヴァプールである。

 

ここ最近のプレミアリーグではリヴァプール相手にアトレティコのようなハイプレスをかけてくるチームは皆無となった。ハイプレスした際の背後のスペースを幾度となく狙われるからである。

 

アトレティコのホームであるワンダーメトロポリターノでアトレティコが自分たちの土俵で勝負しにいくのか、ある程度相手に合わせていくのか、注目していきたい。

 

 

 

では、また。